小児用人工心臓、国立成育医療研究センターなど5病院に寄贈決定

小児用人工心臓、国立成育医療研究センターなど5病院に寄贈決定

産経新聞 令和4年6月1日配信

国内外の心臓病の子供たちを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)の運営委員会は、国内で心臓移植を待つ子供たちに必要な小児用補助人工心臓を寄贈する5施設を決定した。

国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)▽東京女子医科大学病院(新宿区)▽北里大学病院(神奈川県相模原市)▽あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)▽九州大学病院(福岡市)で、8月末から順次小児用補助人工心臓が届けられ、病と戦う子供たちに装着される。

心臓移植を待つ子供たちの多くは弱った心臓の機能を助ける補助人工心臓を装着し、容体を悪化させないようにしながら移植の機会を待っている。しかし、国内の臓器提供者は諸外国に比べ極めて少ない。最近は新型コロナウイルスの感染拡大なども影響し、移植までの待機期間は長期化。これにより小児用補助人工心臓も足りない状況が続いている。

基金が寄贈する小児用補助人工心臓は、ドイツ・ベルリンハート社の「エクスコア」。神戸市の医療機器メーカー「カルディオ」が平成27年に国内販売の承認を受けており、小型冷蔵庫ほどの大きさの駆動装置を導入するには1台約4千万円かかる。

基金は寄贈にあたり、日本小児循環器学会と相談。同学会がエクスコアの使用認定を受けている15施設を対象に意向調査を行ったところ、11施設から寄贈希望があった。

エクスコアは国内12施設に約50台納入されているが、使用には一定数のバックアップが必要なため、実際に稼働しているのは約30台にとどまる。基金と学会は、稼働台数が増えることや地域のバランスなどを考慮して寄贈先を検討。基金の運営委員会が最終的に5施設を決定した。5施設には駆動装置がそれぞれ1台寄贈される。

日本小児循環器学会移植委員会の福嶌教偉委員長は「できるだけ多くの子供を救うことが可能になることを念頭に話し合ったところ、結果的に近年、小児の心臓移植に力を入れている施設が多く選ばれた。ただ、補助人工心臓の台数が増えただけでは、子供たちの命は救えない。今回の基金の活動を機に、多くの方々に、臓器移植という医療のあり方について関心を持っていただくことも期待している」と話している。

基金では、今年度から国内で心臓移植を待つ子供たちへの支援を行っており、今回のエクスコア寄贈のほか、国内で待機中の子供やその家族に対し、1世帯当たり年間10万円の無償支給を行っている。

川島康生・明美ちゃん基金運営委員長の話「寄贈先は手術実績や移植を待つ患者さんをどれだけ抱えているかなどを踏まえ、公正な審議により決定された。補助人工心臓は非常に高価で各施設の保有台数も限られており、必要とする患者さん全てに届けられてはいない状況だ。今回の寄贈を受け、多くの子供の命が明日につながれる。たくさんの善意に感謝したい」

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